カントロフ、聴いて来ました!
以前から「すごい!」と聞いていましたが、まさかここまでとは!いうくらい、
とにかくすごかったです!
私の語彙力のなさが炸裂しそうですが、、、
プログラムです↓
よく考えられたプログラムです。
どの曲の演奏も本当に素晴しかったです。
ブラームスのシャコンヌ、本当に左手だけで弾いているとは思えなかった。。(声部の弾き分けとか)
ものすごく難しそうだけど、これ取り組んだら左手がいろいろな意味で鍛えられそう。。
カントロフも困難だったと、プログラムのインタビューの中で言っていました。
シューベルトはなんてヴィルトオーゾな演奏!
こんなシューベルトもあるんだな、と思いました。(曲も曲ですが)
カントロフの演奏ですがね、、、
楽譜に書かれている一音一音すべての音が、隅の隅まで磨き抜かれている。
そんな印象を持ちました。
これはあくまで私個人の感覚ですが、カントロフの演奏を聴きながら、まるで点描画を観ている(聴いている)かのような、そんな感覚で終始聴いていました。
本当に色彩豊かな音色で弾かれた演奏は、時に絵画を観ているかのような感覚になります。
すべての音が非常に緻密でした。
轟くような、まるで大海原のような低音から、針の穴に糸を通したかのように繊細な音まで、とにかく聴かせてくれました。
シューベルトって、弾いていて気が抜けない作曲家ナンバーワン!だと個人的に思っているのですが、これだけひとつ一つの音が緻密に奏でられているところをみると、カントロフ氏に合っているんじゃないかな、なんておこがましくも思っちゃいました。
私は個人的に、昨年7月に聴いたガジェヴさんのような、
技巧に走らず音で音楽を語るタイプのピアニストが好きなんですが、、
カントロフは完璧な技術を持っていながら、それを決してひけらかさず、音楽が全面に出た演奏で、そういう意味でも本当に素晴しかった!
まだ26歳です。
楽譜に書かれているすべての音が、一音たりとももらさず全部完っ璧に頭に入ってます!という感じです。(たぶん)
現代だから手書きじゃなくて楽譜制作ソフトだろうけど、「プログラムの曲を楽譜にして再現して書いてみてよ」なんて要望を出したら、「あぁ、OK!」とさもなんてことないかのようにササッーとなんの迷いもなく一気に書き上げてしまいそうなくらいです。
そして、前述しましたが、すべての音が磨かれている。
これだけすごい技術を持っているのに、カントロフにしたら、「演奏家として当然のことをやっているだけにすぎない」という感じなんじゃないかな。(たぶん)
すごい技術を見せられたのに、(技術ではなく)ちゃんと音楽を聴かせてくれたのです。
アンコールも素晴しく、最後、会場はスタンディングオベーションの嵐。
熱気に包まれ、大盛り上がりでした。
アンコール曲↓
・サン=サーンス(ニーナ・シモン編):オペラ「サムソンとデリラ」から デリラのアリア「あなたの声に私の心は開く」
・ストラヴィンスキー(アゴスティ編):バレエ「火の鳥」からフィナーレ
・シューベルト/リスト:万霊節の日のための連祷 S.562-1
・リスト:「超絶技巧練習曲集」から 第12番「雪かき」
これから先、40代50代と、カントロフが年を重ねたら、一体どんな演奏を聴かせてくれるのか楽しみでなりません。
また一人、この先も聴いてみたいと思うピアニストに出会えました。
今回は若きブラームスの作品だったけど、晩年のブラームスをカントロフ氏がどんな風に演奏するのか非常に興味深く、きっといつか聴かせてくれるだろうと思うと今から楽しみです。
とはいえ、また来年も来てくれるそうなので、絶対行くぞ!と今から意気込んでいます(笑)
いや~、本当に素晴しかったです。いまだ興奮冷めやらぬ状態ですもの(笑)
カントロフ、ありがとう!