音楽に寄せて 

街のピアノ講師が日々思っていることを綴ります

香りのある響き《アルゲリッチ&フレンズ イブリー・ギトリスへのオマージュ》


こんにちは。

先日、アルゲリッチの演奏を聴いてきました!

私にとっては初!生アルゲリッチです^^

もう楽しみ過ぎて、公演の1週間前くらいから毎日ひとりでニヤついてました(笑)

さらに公演の前日は楽しみすぎたのか何故かなかなか寝付けず(笑)、睡眠不足で行くというまさかの事態に。

 

だって10代の頃からの憧れのピアニストのひとりです。

録音で初めて聴いたとき、まるでオーケストラのような色彩感のある音色に驚愕したのを今でもはっきり覚えています。

「ホントにピアノ?!」と。

 

そして、今は同じ系統のピアニズムを学んでいます。

なんだか不思議な感じです。

 

 

プログラムです。↓



今回、行こうと思った決め手となったのがシューマンピアノ五重奏曲

大大大っ好きな曲で、生では昔1,2度、録音ではそれこそ何十回と聴いてきた曲。

それをアルゲリッチのピアノで。。

どんな演奏かこれはぜひ聴きたい!と思ったのです。

 

シューマンに限らずでしたが、アルゲリッチのピアノは、存在感があるようで無く、無いようである。そんなピアノでした。

弦楽器の響きともよく溶け合っていたし(そういうピアニストはなかなかいません)、まさに一体となった音楽でした。

 

なんてことないフレーズも、ものすごく魅力的に弾いていましたし、

なんといっても香りを感じる響きがたまらなく素敵でした。

 

ただ響きが豊かなだけでない。

芳醇でふくよかな香りのある響きです。

 

香りを感じる響きなんて初めて聴いた!

 

終演後からずっと、「どうやったらあんな響きになるのか?」ばかり考えていました。

耳とイメージ力、筋肉はやはり長年の賜物か・・?

 

 

アルゲリッチのピアノは、どこまでも自然でした。

おそらくやっていることは非常に高度。

でもそれをサラッと自然にやっているのがすごいなと。

そして、共演者たちと音楽を楽しみながら、相手への思いやりも感じる、そんな演奏でした。

 

今回、弦楽器は若手の奏者ばかりでしたが、みなさん本当に素晴しかったです。

特に15歳のヴァイオリニストの方は、フォーレソナタを深い解釈で弾いていたのが印象的でした。

また、フランクのヴァイオリンソナタ

こちらは私も数年前に一度伴奏をしたことがあるのですが、なんとも大変だった思い出の曲。

その時も確かアルゲリッチのライブ録音を聴いたのですが、テンポが速すぎて全然参考にならなかった記憶が(^_^;)

今回はアルゲリッチもお年を召したということで、演奏は余裕のある、ソリストへの細やかな配慮が行き届いた演奏という印象でした。

でも聴かせるところは聴かせる。

 

 

 

アルゲリッチももう81歳。

みなさん、機会があればぜひぜひ一度はアルゲリッチの生演奏に触れてみてください。

きっと後悔はしないはずです。