ピアノで音色を大事にした演奏をしたいという人は多いと思います。
音の質を大事にしながら弾くためには、
自分の音をよく聴くことがもっとも大切です。
また、からだの状態や感覚などにも(音に影響するため)意識を向ける必要があります。
それ以外にも、音のバランス、ペダリング、などなど
ピアノは1人で同時に複数のことを行なわなければなりません。。
(究極のマルチタスクですね・・)
そのために、どのような練習をすればいいか・・?
あくまで一例ではありますが、今日はそれについて書きます。
でもその前にこれまでの過去記事を貼り付けておきます。
ピアノで音の質を大事にした演奏ができるようになるための練習、、、
もう大体予想ができてるよ~
という人もいると思いますが、、、
そう、ゆっくり練習です。
ゆっくり練習・・・
苦手だという子どもたちは多いですね(笑)
ピアノの先生たちの間でも、どうしたら子どもたちがゆっくり練習をしてくれるか、
よく話題になります。。
私の場合、音を聴きながら行うため、
非常に、かなりゆっくりなテンポで弾いています。
音と音のつながりをよく聴きながら、
同時に自分のからだの状態、感覚、動きに意識を向けながら。
ハーモニーの変化なども味わいながら。
これを、ペダルなしで行います。
ペダルを入れて練習することも大事ですが、
まずはペダルに頼らないでやるのです。
これは、自分の先生から「ペダルなしで美しい音を」と言われており、
私自身も至極納得しているからやっています。
まずはペダルなしで響きを聴いていくのです。
そしてこの響きで音と音をつないでいくのです。
響きで音楽をつくっていくイメージです。
ゆっくり練習の良いところは、
音を聴きながら、からだの状態や動きにも同時に意識を向けて弾いているので、
暗譜がしやすい、という点もあります。
こういう練習をすると、わりとすぐに覚えられますし、忘れません。
忘れてもすぐに思い出せます。
数年ぶりに弾いてもです。
私が尊敬している同門のピアニストの方のひとりは、
「暗譜とは、音楽と精神と身体が一体になった状態」
とおっしゃっています。
う~ん、まさにまさにです。
また、本来は速く細かいパッセージを練習する際も同じです。
指だけでなく、からだ全体との連携がどうか?が鍵なので、
それに注意するためにもやはりゆっくり練習は大事です。
音と音の間を聴きながら、指とからだとの連携を意識して、
段階的に少しずつテンポを上げていきます。
こうすると、速く細かいものでもリズム練習をする必要がなくなります。
リズム練習をしなくても弾けるようになるのです。
しかもとっても楽に。
リズム練習は、その曲を弾くために使う筋肉と違う動きをしているので、
必要ないものだと考えています。
あと、(本当の意味で)音を聴かなくなる・・・!!
もっとも大事なことは、
音楽の流れを理解し感じながら、音をよく聴きながら行うことです。
弾かない。
弾こうとしない。
聴く。
とにかく聴くんです。
そのためのゆっくり練習です。
また、どんな曲でも、どうしても難しいところ、弾きにくいところ、
なかなか思うように弾けないところというのは出てくるものですが、
そういうときも、その原因を探りながら行うのに有効です。
弾けない原因は、ひとつだけでなく、
いくつか重なっている場合もあります。
それは、単に音を覚えていなかったりだとか、音楽をよく理解していない、
ということも考えられますし、
からだのどこか一部が硬くなっているために弾けない、ということもあります。
いろいろですね。
それを、ゆっくり弾きながら行うと、その原因がわかるときがある。
(すぐにわらないときもあります)
いろいろ書きましたが、
ピアノは弾く音の数が多いので、ゆっくり練習をしていても
すぐには複数のことが出来るようになるのに多少時間がかかります。
(そういうものだと思ってください。)
以上のように、ゆっくり練習は結構疲れます。
時に、筋肉痛になることも。
そして、非常に遅いテンポで練習しているので、時間もかかる。。。
でも、私は何よりも音色を重視した演奏ができるようになりたいので、
疲れるけどそんな中でも楽しみながら練習しています^^
次回は、どのような曲を使った練習が望ましいか?
現在出版されていて入手可能な教本の紹介を兼ねて書きますね。
Viel Spass!!