ピアノの先生の仕事は、生徒にピアノを教えることです。
でも。
それだけではない、と私は考えています。
ピアノを弾くことは、簡単ではありません。
そのことをわかっているのは、私たちピアノ講師です。
だから、レッスンに通って来てくれる生徒さんたちに、
如何にして、どのようにして教え、伝えていくかを
常に考え、勉強していくこと、研究を続けていくことがとても大事で、
それがピアノ講師の仕事のひとつでもあると思うのです。
何度も言いますが、ピアノは、音大の4年間で習得できるほど簡単なものではありません。(でも、そのことに気づいていない方がたくさんいるのではないか、と思っています)
そして、子ども時代、音大時代、と自分が教わった通りに教えるだけでは、
指導の幅が狭まります。
何というか、視野が狭い状態での指導になってしまう、といった感じでしょうか。
勉強の仕方はいろいろあるでしょう。
教材研究、セミナー、書籍を読む、実際にレッスンを受ける。
それに、いまは指導動画もたくさん出ています。
私は、今でもレッスンを受け続けているのですが、
そのことを生徒の親御さんや、同業の方からとても驚かれたことが何度かありました。
「今もレッスンを受けているのですか?」「『先生』なのに??」
という感じで(笑)
確かに、『ピアノの先生』がさらに『先生』からレッスンを受ける、って・・・
変ですかね?(笑)
でも、私が現在レッスンを受けている先生のもとには、ピアニストの方はもちろんのこと、私よりも一回りも二回りも上の、「ピアノの先生」が熱心にレッスンに通い続けているのです。
また、あるピアノ講師の方で、40年近く続けていた指導を、
ロシアメソッドを知ったことによってガラッと変えた、という方がいらっしゃいます。
その先生にとって、ロシアメソッドはよほど衝撃的だったのでしょう。
「先生の、その姿勢に敬服します」とお伝えしたところ、
「指導法を変えることに何の抵抗もありませんでした」という内容のお返事が来ました。
私にはその先生は、
音楽やピアノ、そしてピアノを習いに来てくれる生徒さんへの深い愛情があるからこそ、それまでの指導を変えることは「自然なこと」だったのではないかと思っています。
そして、音楽をやること、ピアノを弾くことの本質を理解していたから、
ロシアメソッドに移行できたのではないか、と思います。
それまでの自分のやり方に固執していたら、
それがプライドとなって変えることなど出来ないと思うから。
その先生のブログを拝見すると、日々のレッスンの様子はもちろんのこと、
教本や教材、指導法など、非常に研究熱心であることが伝わってきます。
このような方々が大先輩でいらっしゃると思うと、私も頑張ろうと思うのと同時に、
日本のピアノ教育の世界に、希望が持てます。
私自身、レッスンに通い続けていることで、
学生時代には見えてこなかったことが見えてきたり、多くの発見があったりで、
いくつになっても学ぶことがあることは面白い、と思っています。
きっと、これからも新たな発見があるのでしょう。
そう思うと、ますます学び続けたいと思います。
アップデートし続けること
これが、ピアノの先生の仕事ではないかと、最近ますます思います。
広い視野をもって、さまざまな指導法、メソッドに触れてみる。
教本も、たくさん出ていますから、とにかく研究する。
あと、音楽やピアノ以外の分野の世界を知る、ということもとても大切です。
私の場合は、美術やスポーツの世界から刺激を受けることが多いですね。
本も、これもピアノ以外の、様々なジャンルのものを読む、知る。
音楽以外の世界を知っていくと、「あ、これもピアノに通じるなぁ!」とか、
「この発想はレッスンに使えそうだ!」といった発見があって、面白いです。
こう書くと、勉強することは結構膨大かもしれません(笑)
でも、それが仕事だと思えば、出来てしまうのではないでしょうか。
少しの時間でも良いから、現在の自分の指導を振り返ってみる。
そして、それ以外の世界(指導法でも、なんでも)を知ってみる、知ろうとすること。
音楽の本質、ピアノを弾くことの本質とは何かと考えたとき、
ピアノのレッスンの本質が見えてくると、私は思います。
学びは面白い!
だからピアノの先生も学び続けよう!
今日はそんな内容でした。
それでは、また更新します。