前回の記事の続きです。
「自分の音楽」を見つけ、そこに向かっていくと、それは必ずその人にとっての「本物」になります。
そうなるまでの過程は、決して楽ではない、「楽しい」だけではないかもしれません。
悩んだり、時には苦しいときもあるかもしれません。
「すぐに」結果がでるものでもないし、時間は多少かかるでしょう。
でも、そうした過程で見つけて出来るようになった演奏は、間違いなく「本物」です。
だから魅力的で、心惹かれるんです。
なぜでしょうか?
それは、あなたが自分と向き合い、自分の力で考えたりあれこれ試行錯誤したからです。
もし、先生の言うことを鵜呑みにし、言われるがままに練習していれば、一見形は整っているかもしれないけど、「ニセモノ」です。
また、他人の目を気にしていれば、やっぱりそうなります。
ここでちょっと注意事項。
上手い演奏が本物とはかぎりません。
また、多少たどたどしかったり崩れていたりしても、自分なりに音楽を理解してそれを伝えようと努力していれば、それは本物だと、私は思います。
「音楽とは何か?」ということを本当に理解している人、先生ならば、多少間違えたりリズムがおかしくても、その人がどんなふうにピアノと向き合い努力したかわかってくれるし、「その人の音楽」を理解しちゃんと評価してくれます。これは絶対です。
でも、どんなに指が動いていて楽譜通りミスなく弾けていても、その人が何も考えていなかったり、音楽を理解しよう表現しようと努力していなければ、それは見抜かれてしまいます。
私のまわりはこのことに関して、かなり厳しいですね。。(^0^;)
私が今の時点で理解していることは、音楽でも他のものでもなんでも、「本物」はその人の内側にしかない、ということです。
それは愛もそうです。
愛は、外側に求めることではないですね?
逆に言えば、誰かから与えられたもの、自分以外の外側から得たものって、全部ニセモノなんだと思っています。
音楽でも、愛でも他のものでも、みんな。
だから、承認欲求を持つことって無駄なんです。
持って外側に求めて、たとえ評価や褒められたりしても、効果(?)はほんの一瞬、一時的です。
褒められたその瞬間は嬉しいけど、それはすぐに消えませんか?
すぐに消えるからまた求める、でもまたすぐに消える、、、エンドレス、無限のループです。
だから疲れてしまって、それが生きづらさにつながるんだと思います。
前回の記事で、日本人の多くは承認欲求が強くて他人軸だと書きましたが、今の世の中、多くの人が外側に求めすぎていることからもやはり関係あるでしょう。
だから、自分と向き合うんです。
自分と向き合えば、最初に多少痛みは伴っても、気持ちが落ち着きます。
とても穏やかになれます。
自分の内側を意識していると、当然ですが外側に意識がいかなくなるから、「誰かから褒められたい!評価されたい!」なんて思わなくなります。
そっちのほうが、楽だと思いませんか??
今は、多くの人が渇望しています。愛に飢えている、とも言えます。
誰かから褒められようとしたり、一生懸命地位や名誉を求めたり、お金を得ようとしたり、あるいはパートナーや子どもをほしがったり。
そして、それらを得ることができても尚、外側に求めています。
それがSNSやブログによる発信につながっているのかもしれません。
もしかしたら、頭のどこかでは「本当にほしいものは外側にはない」とわかっている人もいるとは思います。
でも、他人軸だと周りに流されてしまいますね。
本当に大事なものって、そんなに多くないし、すでに内側にあるのに、と思います。
それに、本当の幸せって、何かを得ることではないんですよ、本当に。
こういったことは、おそらく子どものときからの学校教育の影響があるかと思います。
このことは今回はこれ以上触れませんが、日本の学校教育が日本人の他人軸、承認欲求の強さと大いに関係していると考えています。
日本の学校教育、昔も今も「・・・」ですからね。。(汗)
表面的な演奏(ニセモノ)ができるようになるのは、実はそんなに難しくありません。
頭と指が動いて器用なら、そんなに難しいことではないんですよ。
でも、自分の内側を音で表現しようとすると、それはそれなりに時間がかかるし苦労もします。(でもそれが面白いんですが)
当然、悩みながら練習することもあります。
皆さんなら、どちらの演奏を目指しますか?どちらの演奏が出来るようになりたい、あるいは聴いてみたいですか?
どちらを選んでも、私は構わないと思います。その人の選択だからです。
前者なら、先述したように、そんなに難しくありません。(ただし多少曲による、とは思います)
すぐに結果を求めるなら、それを選ぶのもありでしょう。
(現代人は、すぐに結果を求める人が本っ当に多いですね)
でも、「どんなに時間がかかってもいいから、自分の音楽を表現できるようになりたいんだ!」と思うのなら、すぐに結果を求めたり一時的な高揚感を求めないで、大いに悩みながらピアノと向き合ってください。
私はこちらを選びました。
結果、茨の道でしたが、楽しい茨の道でした!(笑)(そして現在進行中・・)
現代人の生き方と、表面的な音楽にあふれている今の世の中とは、決して無関係ではない、と感じます。
どこかの記事で書いたかと思いますが、生きることの本質を本当には理解していない大人であふれています。
そしてそれが子どもたちにも影響しています。
これは本当に考えなければならないことです。
生きることの本質を本当に理解した大人が1人でも多く増えれば、SNSなどはこんなにも普及しないでしょうから。
お子さんがいる人もそうでない人も、自分は今どんな在り方、生き方をしているか、1度真剣に考えてみてください。
そして、挫折や失敗を経験することの大切さを、身をもって子どもたちに伝えてください。
大きな挫折や失敗を経験した人は、必ず人間的に大きく成長します。
そうした経験は、自分と向き合わずにはいられないからです。
それは苦しいことではありますが、すぐに結果を求めたり、何かを外側に求めようとする生き方よりもずっと、その人を真に豊かな人間にします。
そういう人が1人でも多く増えれば、後世の子どもたちを守ることができるのです。
私もまだまだ若輩者ですが、頑張りたいと思います。