ピアノを弾きながら気づいたことがあります。
それは、「自分を信頼する感覚」というのが、ピアノを弾くうえで非常に大切なのではないか?ということに。
「自分を信頼する」
これは、弾いている時のからだの(内側の)感覚だったり、また、自分の音楽に対する信頼感だったりします。
ピアノを弾くうえで、(手の平の内側の)支えというのがとても大切なのですが、この支えができてくると、それが弾いているときのからだの感覚に対する信頼感につながっていくのです。
この支えができるまでは非常に時間がかかります。
人によってピアノに向かう時間は違うので、その向き合う時間の長さにも関係してきます。
また、練習の仕方や弾き方(奏法)によってもそうでしょう。
私は3,4年かかりました。
最低限の支えができて、さらに数年経つと、その時とはまた違う、新しい感覚が出てきます。
これはもう、経験していただかないとわからない感覚で、うまく形容できなくて申し訳ないのですが、とにかく自分の手に対する信頼感、安心感が出来てくるのです。
ピアノという楽器で、P(ピアノ)やPP(ピアニッシモ)などを美しい音で弾くのは大変難しいですが、この自分の手に対する信頼感が育ってくると、不思議とPで弾くことが怖くなくなります。
怖くなくなるので、からだに不必要な力みや緊張がなくなるし、よって音も美しい音で弾けるのです。
また、自分の音楽に対する信頼感。
これもまた文字で表すのは難しいですが、自分がその曲に対して感じていることを信頼する、とでも言ったらいいのでしょうか。
そんな感じです。(アバウトですみません。。)
これもある程度経験を重ねていくことが必要かなと思います。
人前で演奏するとき、緊張しますよね。
私もめちゃくちゃ緊張強いであがり症で、学生時代はもう本当に悩みました。
「緊張しないようにしよう」と思う人がいるようですが、それは諦めてください(笑)
人前で演奏して緊張しないなんてムリ!(笑)緊張はするもの、して当たり前なんですから。
緊張に関する記事はこちら↓(ご参考までに)
私自身の経験と、今まで見てきた緊張しやすい生徒さんたちの傾向を見ると、
(心の奥にある)自分に対する自信のなさや信頼感の低さが、緊張しやすさにつながっていると感じます。
人前で弾くとき緊張する、というときは、自分の外側(ここでは聴いてくれる人たち)に意識が向いているんですね。
そうではなく、自分の内側に意識を持っていくようにするんです。
それはつまり、自分に対する信頼感につながります。
そのために、深呼吸なりストレッチなどをするんです。
そして、弾いている時は自分のからだの感覚に意識を向けるようにする。
音楽は、それまで自分が練習し積み上げてきたものを信頼して表現することに集中する。
演奏中は、音楽に入り込み過ぎず、冷静な部分を残しておくと良いです。
自分を俯瞰する感覚。
これも本当に大事です。
演奏中、一歩引いて自分の演奏を聴く。
これは、本当の意味で音を聴くことにもなります。
こうした感覚的なことは、何度も何度も経験してようやく身につくことかもしれません。
何度か書いていますが、ピアノに即効性を求めないことです。
そして決して諦めないこと。
自分は将来的にどんな演奏ができるようになりたいか?
ここが明確であれば、多少の大変さも乗り越えられるはずです。