音楽に寄せて 

街のピアノ講師が日々思っていることを綴ります

緊張とのつき合い方

こんにちは。

6月に入りましたね。

紫陽花が少しずつ咲いてきていて、関東の梅雨入りももうすぐかなと感じます。

雨が続くのは確かに憂鬱になるけど、この時期の楽しみはなんといっても紫陽花。

雨に濡れた紫陽花は生き生きとして見え、美しく、大好きです。

 

 

 

さて、今日は緊張対策について。

 

本番を目前に控え、緊張・・

ピアノを習っていて発表会に出て演奏を披露しようとするなら、

避けては通れない道ですね。

 

 

緊張を経験したことがない人というのはほとんどいないと思うのですが、

みなさんはいつもどう対処していますか?

 

 

私はかつて、過度のあがり症、過緊張でした。

子どものときから外側からの刺激に弱く、

人に注目されるのが苦手なこと、また家庭環境も関係していると分かりました。

学生時代は本当にひどくて、毎回吐き気との戦い。

今はだいぶマシになってきましたが。。

 

 

今回は、そんな私が実行している緊張対処法について書きますね。

対策は人それぞれだと思うので、参考程度にお読みいただければと思います。

では早速!

 

 

ステップ1 緊張を受け入れる

 

よくあるのが、緊張しないようにしよう!とか、緊張を打ち消そうとすること

 

生徒に時々そういう子がいますね。

その気持ち、すごくよくわかる。。

真面目で繊細な子ほどそのような傾向があるように思います。

 

でもね、緊張しないようにしようとすると、ますます緊張してしまいませんか?

そうすると逆効果なんです。

 

もうね、ここは諦めましょう!

緊張はするものだと。

 

緊張は、どうしたってしてしまうもの、やってくるものなんだと。

そう、緊張は、ニヒルな笑みを浮かべてやってくるものなんです。

 

 

プロのピアニストたちだって、冷静な表情で演奏しているように見えて、

実はみなさん緊張しています。

ただ、そこを上手くコントールして、「良い緊張感」で演奏しているのです。

 

 

さて、緊張していることを自覚したら、こう思いましょう。

 

「お!来たな緊張!予定通りだぜ!」(とここで小さくガッツポーズ。心の中でも、実際にやっても、お好みで)とか

「おーおーおーおー、よく来た緊張!よしよしよし!」みたいに、

自分の緊張を受け入れる。緊張と仲良くする。

(スミマセン、ふざけてるわけではないです。生徒によく、こんな感じでアドバイスしています・・)

 

これ重要です。

 

 

緊張して良い、と思うだけでも効果あります。

 

あとは、緊張するのは自信のなさや失敗したくない気持ちからだったりするので、

「失敗してもいい。失敗しても大丈夫」と思うのも効果あります。

「失敗しても、どうってことない」です。

 

そうすると、不思議と気持ちが落ち着いてきます。

 

 

自分の緊張を受け入れ、味わうようにする

すると、変な恐怖心がやわらぎ、落ち着きます。

 

 

ステップ2 深呼吸&ゆっくり動作

 

 

私は、自分が緊張しやすいと自覚するようになってから、

本番前の時期は深呼吸を心がけるようになりました。

特に吐くことに意識を向けます

「息を吐く」という行為は、それだけで気持ちが落ち着きます。

だからできるだけ吐くことに集中して深呼吸する。

 

そして、これは特に本番当日から舞台に出てからも心がけていることですが、

とにかくゆっくり動くことを意識します。

 

気持ちが焦っているときというのは動きもどこかいつもより速くなりがち。

だから、意識的に動きもゆっくりしてみる。

 

本番当日、朝起きてから身支度、食事、直前練習、移動中も。

その日の自分の行動を、とにかくゆっくり動くことを意識する。

舞台に出てからも、椅子の調整や座るときも。

そして、座ってからすぐに弾き始めるんじゃなくて、ひと呼吸おいてから弾き始める。

 

 

私の個人的なやり方なので、すべての方に合っているかはわかりませんが、

ご参考になったでしょうか。

 

 

あと、これは最近知ったのですが、

人は「今、ここ」にいないと不安になったり緊張が強くなったりするらしいので、

意識を「今、ここ」に向けるようにすると良いようです。

それには、深呼吸はやはり効果があるのと、

いま自分の目の前に見えているものを数える(たとえば、舞台袖にいるならライトの数を数えるなど)とか、

足の裏の感覚に意識を向ける、自分の腕などに手を触れてその触れている感覚に意識を向ける、といったやり方があるようです。

どうぞお試しください。

 

それから、この記事の下書き中にこんな本と出会いました

 

 

地元の図書館で見つけて、なんとなく気になって借りて読んでみたのですが、、、

良いです!

 

全編まんがなので読みやすいし、分かりやすく頭に入りやすい。

あっという間に読んでしまいました。

何より、「頑張らなくてもできそう」と思わせてくれたのが良かったです。

やはり深呼吸やゆっくり動作を意識するのは良いみたいですね。

 

現代人は自律神経が乱れている人がとても多いそうなので、

それがからだの疲れや緊張のしやすさにつながっているのかもしれません。

緊張対策についても書かれているので、興味のある方は一読されてみてはいかがでしょうか。

 

 

☆おまけ☆

大学の時、試験の1,2週間くらい前に、意識的にカフェインを含んだお茶や、刺激物(辛いものなど)を口にしないように過ごしていたことがあります。

カフェインを取り過ぎると不安になりやすくなるらしいので、

これも緊張しやすい人には良い対策のひとつになるかもしれません。

紹介した本にもありましたが、水をゆっくり飲むのが良いようです。

 

 

 

 

ある程度の緊張は必要です。

それは「良い緊張感」です。

「良い緊張感」の中で演奏すると、全く緊張がないよりずっといい演奏ができたりします。

 

だから、緊張することを恐れないで、緊張とうまく付き合えるようになると、

人前で披露するとき、演奏に集中することができると思います。

あとは舞台慣れもある程度は必要かもしれません。

 

「ミスしないようにしよう」とか「間違えたら恥ずかしい」などと思うよりも(思っちゃうけど)、

「もし間違えても、自分が伝えたいことが伝わるような演奏をしよう。それで一人でも自分の演奏を気に入ってくれる人がいればそれでいいかな」くらいに

ゆるく考えているほうがいいように思います。

 

格好つけない。

これが大事ですね^^

 

 

もしミスをしたり自分が思い描いていた演奏ができなくても、それも経験です!

むしろそこから学ぶことのほうが多く、成長につながるので、

「ラッキー♪」くらいに思いましょう。

「やった!これで成長できる!」と。

 

ピアニストたちだって、そんな経験の積み重ねで演奏活動を続けているはずですから。

 

 

Toi Toi Toi! (ドイツのおまじないです^^)