ピアノという楽器は、生きています。
タッチの感覚、鍵盤の重さなど、ひとつ一つに個体差があります。
響きのツボ、というのも当然あるわけです。
鍵盤の深さ何ミリくらいをねらえば、その楽器から最も美しい響きを引き出せるか、というツボです。
これは、かなり高度な段階かもしれません。
でも、この段階に行くと、本当に本当にピアノという楽器の魅力を感じ、楽しくなってくるのです。
先日は、自分の本番前最後のレッスンでした。
自宅での練習で、自分でも気がつかないうちに「弾きすぎて」いたようで、
先生のご自宅のピアノ(先日のレッスンではべーゼンドルファーのフルコンサートグランド)で弾いたら響きが少なくなってしまい、弾きながらなんだか音がポツポツしているように感じたのです。
私の家のピアノはヤマハのグランドピアノ。
ヤマハはスタインウェイやべーゼンドルファーよりもツボが深めです。
(つまり、スタインウェイはツボがヤマハより浅め。べーゼンドルファーはスタインウェイよりさらに浅めです。ムズっ!)
本来なら楽器ごとに対応しなければならないのに、ついつい家での弾き方のクセがでてしまっていたようです。
からだの使い方、音への意識の向け方などを修正して弾いたら、響きが良くなって。
これが本番でも出来るといいのだけれど(^0^;)
ちょっとしたからだの使い方の違い、意識の違いで、音が全く変わるのだから、
やはりただ弾いているだけではダメだし、客観的に聴いてもらうことは本当に大事ですね。
こうして「ツボ探し」をすることは、楽器との対話でもあります。
楽器も、その日の気温や湿度などでも状態が常に変わっているのだから、そういうことも感じながら。
私自身は正直まだまだです。
でも、同門のピアニストの方たちのように、対話しながら弾けるようになることを、どんなに時間がかかってもいいから必ずや今よりも出来るようになりたいと思っています。
ピアノって難しくて奥深いけど、それが同時に面白さでもあります。
本当に素敵な楽器!
これからもずっとずっと、弾き続けていきたいです。