音楽に寄せて 

街のピアノ講師が日々思っていることを綴ります

夢が叶った味~プルーンケーキ~

 

今日は、いつもと趣を変えて留学時代の思い出の味、

Zwetschgenkuchen(ツヴェッチゲンクーヘン)をご紹介します。

 

 

 

 

これは、ドイツやオーストリアのスイーツで、

ちょうど今頃の時期から季節限定でパン屋さんなどで提供されます。

 

Zwetschgen(ツヴェッチゲン)とは、日本でいうプルーン(西洋プラム)のことで、

Kuchen(クーヘン)はケーキ、主に焼き菓子のことです。

 

プルーンというと、日本ではドライプルーンがよく知られています。

ですが、これはドライではなく、生のプルーンを使った焼き菓子です。

生から焼くことによって甘酸っぱくなって、とってもおいしいんです!

 

 

私は高校時代、本でこのスイーツと出会いました。

図書館から借りたその本は、とあるパティシエの方の、ヨーロッパでのお菓子修行時代の思い出について書かれたもの。

挿絵が水彩絵の具調のやさしい雰囲気のイラストで、いくつかレシピも載っていました。

 

その中に、このスイーツがあったのです。

「プルーンのケーキ」とあって、

当時、プルーンといえばドライのものしか知らなかったので、

生のプルーンがどういうものなのかまったく想像できず、とても印象的でした。

 

本には、ドイツの家庭では庭にこのプルーンの木があって、

家庭でもよく作られるお菓子だと書かれていました。

 

全然想像できないけど、なんだかたまらなく魅力的で美味しそう。

「いつか食べてみたい!」と思ったのを覚えています。

そして、それから約10年後に実現したのです。

 

 

本格的な留学前、私は語学でドイツ南部の都市、ミュンヘンに3ヶ月ほど生活していました。

もうすぐオーストリアへ移動するというときに、

出会ったのです。

 

見た瞬間、これは私がずっと食べたかったやつだ!と思いました。

もちろん即購入。

わくわくドキドキしながら初めて口にした時のことを今でも覚えています。

なんか、ずっと憧れの人に初めて出会った瞬間みたいですね(笑)

 

 

甘酸っぱく、プルーンの酸味がたまらなくおいしい!

果汁が下の生地に染みていて、そこもまたおいしい。

果物の甘さを大事にしているので、全体的に甘さ控えめ、

後味は結構さっぱりしています。

果物のスイーツが好きな人ならきっと口に合うはずです。

 

下の生地は、パンタイプのもの、アーモンドケーキのもの、パイ生地のものと、

いくつかあります。

また、上にはシュトロイゼルといって、クッキー生地をそぼろ状にしたものがのっているものもあります。

さらにはお好みでアイスを乗せてくれたりホイップを添えたりと、いくつかバリエーションがあり。

 

 

私はミュンヘン市内にいくつか店舗がある「Rischart」というパン屋のものが大好きでした。

何種類かあり、ボリュームもすごいんですが、

とても美味しい^^ さっぱりした甘さなので意外とペロリです。

ミュンヘン市内の主要な駅や広場には店舗があるので、

買いやすかったです。

 

 

さて、このスイーツは留学生活を送ったザルツブルクにも売っているには売っているのですが、

何故かあまり魅力的ではありません。

Rischartのものよりも種類が少ないし。。

美味しいんだけど、ミュンヘンで食べたときのような感動がない。

心なしかプルーンのサイズも小さい。

というか全体的に小さい。

ザルツブルクが田舎だったからかなぁ??

ウィーンなら違うようだけど、この時期にウィーンに行ったことがないのでわかりません。。

ザルツブルク世界遺産の街で、モーツアルトの生誕地やザルツブルク音楽祭、映画「サウンド・オブ・ミューッジク」の街として有名ですが、

それ以外は本っ当に娯楽も何もない、Landweilig(退屈な)街でした(笑)。

勉強にはもってこいだったけどね!

 

 

というわけで、私はザルツブルクに移動してからも、このツヴェッチゲンクーヘンの時期になると、わざわざ鉄道で2時間かけてミュンヘンまで食べに行っていたのでした。

(もちろん他に用事をつくって)

 

 

このツヴェッチゲン、生でスーパーに売っていたので、1度だけ買ったことがあります。

ですが、お菓子用ですね。

生でそのままで食べるようではないようです。

どの果物も、生で食べるには日本の方が断然、はるかに美味しいです。

 

 

あと、ドイツ語ではPflaumenkuchen(プラウメンクーヘン)と、Zwetschgenkuchen(ツヴェッチゲンクーヘン) と二つの表記があります。

おそらくですが、Pflaumenkuchenのほうが標準ドイツ語、

Zwetschgenkuchenのほうが南部ドイツ語によるものかと。

違ったらごめんなさい・・

住んでいた街では主に南部ドイツ語が使われていたので、

Zwetschgenkuchenのほうで覚えてしまいました。

ドイツ語も、国や地域によって結構違うので、

それが面白いです。

 

 

 

生のプルーンは日本でも売っているので、もし興味があればぜひぜひ作ってみてください。

レシピはネットで、クックパッドなんかに載っています。

私はこちらの本のレシピを参考に作りました。

 

 

2年前に作ったときのものです。

 

 

作り方は簡単。

生地を作って、切ったプルーンを並べて焼くだけ。

ドイツで食べた味とほぼ同じで、これが日本でも食べられると思うと嬉しいです。

 

 

 

さて、こんな感じで、これからは時々留学時代の思い出話なんかも書いていこうかと思っています。

写真はあんまりないし、だいぶ忘れているところもあるんですが、

ヨーロッパでの生活や旅行をした街のことも書けたらいいなと。

 

 

 

Zwetschgenkuchenは、私にとって夢が叶った思い出のお菓子。

生のプルーンを手に入れたら、今年も作ろうかと思います。

 

 

Gtuen Appetit♪